2015年度、東京藝術大学は、文部科学省国立大学機能強化事業「国際共同プロジェクト」の一環として、パリ国立高等音楽院にゆかりの素晴らしい教授陣を招聘します。東京藝術大学弦楽シリーズ2015は、これらフランスの名手たちと東京藝術大学の教員たちのアンサンブルの演奏で、フランス近代を代表する2人の作曲家の作品をお聴きいただきます。プログラム前半は、ドビュッシー(1862~1918)の最晩年の作品3曲をお届けいたします。当初ドビュッシーは、6曲のソナタを作曲する予定でしたが、病に冒され完成することができませんでした。しかしながら、後世に遺されたこの3曲はいずれも傑作として人々に愛されています。後半は、フォーレ(1845~1924)の美しいピアノ四重奏曲をお贈りします。フォーレは2つのピアノ四重奏曲を作曲していますが、今回は、人気の高い第1番を演奏します。それぞれの演奏者の個性溢れる魅力的なアンサンブルを存分に味わっていただけましたら幸いです。
東京藝術大学音楽学部器楽科弦楽専攻主任・准教授 漆原 朝子Y.メニューイン、S.ヴェーグらに学び、ヴァイオリンと室内楽で1等賞を得てパリ国立高等音楽院を卒業。ストレーザ、ロンドンなどの国際コンクール第1位。22歳でパリ・オペラ座管弦楽団コンサートマスター。現在パリ管弦楽団コンサートマスター。サルトリ弦楽トリオなどで室内楽活動。パリ国立高等音楽院とパリ地方音楽院教授。仏政府よりシュヴァリエ勲章受章。1708年製のストラディヴァリウス”Txinka”を使用。東京藝術大学音楽学部卓越教授。
1等賞を得てパリ国立高等音楽院を卒業。1965年ミュンヘン国際音楽コンクール第1位。65~85年パリ・オペラ座管弦楽団、85~90年フランス国立管弦楽団首席ヴィオラ奏者。70年に弟と新パスキエ・トリオを結成。M.ロストロポーヴィチらと共演するなど室内楽でも活躍。83年からパリ国立高等音楽院ヴィオラと室内楽の教授。2014年よりパリ・エコール・ノルマル教授。 17世紀初頭P.マッジーニ作のヴィオラを使用。東京藝術大学音楽学部卓越教授。
パリ国立高等音楽院を5つの1等賞を得て卒業。室内楽ではT.ツィメルマン、Y.バシュメットらと共演、M.アルゲリッチらと連弾を行っている。R.クレスパン、G.バキエらの伴奏者としても活躍。G.アミ-、H.デュティユーら同時代の音楽作品も手がける。1969年パリ国立高等音楽院の教授に就任し、86年~2003年まで同音楽院の室内楽の教授。パリ・エコール・ノルマルにてピアノの教授および教育顧問を務めた。東京藝術大学音楽学部卓越教授。
東京藝術大学音楽学部を、安宅賞を得て卒業。同大学院修了。1999年宝塚べガ音楽コンクール、日本フルートコンベンション・コンクール、2000年日本管打楽器コンクール、01年日本音楽コンクール第1位、05年J.P.ランパル国際フルート・コンクール、神戸国際フルートコンクール第3位。東京藝術大学音楽学部准教授、洗足学園音楽大学客員教授。
NHK交響楽団ハ-プ奏者。東京藝術大学音楽学部卒業。1991年日本ハープコンクール、96年アルピスタ・ルドヴィコ・スペイン国際ハープコンクール第1位。L.リーバーマンやP.ヒンデミットらの協奏曲を日本初演。2013年タン・ドゥンの《13のマイクロフィルムとハープの為の協奏曲「女書」》を作曲者自身の指揮で世界初演。東京藝術大学音楽学部非常勤講師。
東京藝術大学音楽学部を経てパリ国立高等音楽院とベルン高等音楽院の両校を首席で卒業。2010~14年仏国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団首席チェロ奏者。05年ルトスワフスキ国際チェロ・コンクール、パリのFLAME音楽コンクール第1位。NPO法人イエロー・エンジェルに貸与された1700年製のJ.グァルネリを使用。東京藝術大学音楽学部准教授。
東京藝術大学音楽学部在学中の1969年日本音楽コンクール入選。安宅賞を得て卒業。同大学院修了。デトモルト北西ドイツ音楽アカデミーを経て、ベルリン芸術大学でK.シルデ氏に師事。77年ロン=ティボー国際コンクール第2位。78~79年ベルリン芸術大学助手。86~2005年「植田克己ベートーヴェン・シリーズ」開催。東京藝術大学音楽学部教授。
2001年日本音楽コンクール第3位。東京藝術大学音楽学部を首席で卒業。07年仙台国際音楽コンクール第1位・駐日仏大使賞を受賞。10年同大学院を首席で修了。11年ベルリン芸術大学を最優秀で卒業。同年ミュンヘン国際音楽コンクール特別賞受賞。ロームミュージックファンデーション奨学生。東京藝術大学音楽学部非常勤講師。