ひとときの歌15〜
白鳥の歌はシューベルトの死後、出版社が彼の遺作をまとめて世に出したものです。「白鳥は死ぬ前に最も美しい声で鳴く」という北欧伝説にちなんで名付けられました。全14曲で、3人の詩人、レルシュタープ7曲、ハイネ6曲、ザイドル1曲という構成です。
今回はそこにレルシュタープの「秋」、そしてザイドルの「戸外にて」「窓辺で」「きみのそばにいるだけで」「さすらい人が月に寄せて」「臨終を告げる鐘」を加え、全20曲の3部構成のプログラムです。
レルシュタープの歌曲は、名作セレナーデを初めとするそれぞれに魅力ある親しみやすい音楽ですし、ハイネの6曲は、それまでに無い新たな音楽表現の萌芽が感じられ、もしシューベルトが更に生き、ハイネの詩に更に作曲することがあったならと、否応なく想像力と期待を掻き立てられる卓越した歌曲です。ザイドルの歌曲は、ときにモーツアルトのような、時にベートヴェンのようなフォルムを纏いながら、シューベルトが親しい友に心情をこっそり告白するような趣を持つ、魅力溢れる作品です。
皆様どうぞご来場下さいますようお願いいたします。