「矛盾脱衣(Paradoxical undressing)」とは、雪山などで凍死者が
裸の状態で発見されること、または極寒の環境の中で体が異常に熱
を発し脱衣してしまう異常行動のこと。
この行為には脳が生きようと体を温めることがかえって死期を早め
てしまう過剰さと矛盾がある。
わたしたちの制作は己の深層心理を曝け出す行為と直結しているに
も拘らず、鑑賞者に提示するものは何重にも服を纏った作品の姿で
ある。
このことから、制作を通して己自身の矛盾する現象と対峙すること
は、展示者二人にとっての「矛盾着衣(Paradoxical Dressing)」
であると考えた。
どうか、ご来場頂いた際には幾重にも着飾られた作品の奥に秘めら
れた、脱衣された心を覗くことができます様、是非ご高覧頂ければ
幸いです。