フィンランドの風景
東京藝術大学附属高等学校、同大学ピアノ科を卒業。パリ国立高等音楽院ピアノ科を一等賞で卒業し、上級ディプロムを取得。ベルギー政府給費留学生として、ブリュッセル王立音楽院ピアノ科マスターコースに学び、満場一致の一等賞ならびに栄誉賞にて修了。またフォルテピアノをパリ国立高等音楽院古楽器科に学び、満場一致の一等賞で卒業。古楽の上級ディプロムも取得する。
現代音楽から古楽器のフォルテピアノまで、また特にフランスでの豊富な伴奏経験を含めた、幅広いレパートリーを元に、これまで第19回ショパンフェスティヴァル(フランス・ショパン協会主催)、ラトヴィア日本文化週間などをはじめ、東京、パリを中心にロシア、スペイン、アメリカ、台湾などで演奏活動を展開し、パリ・エコール・ノルマル音楽院、サン・モール国立地方音楽院、パリ市立12区音楽院のクラスピアニストも務めた。
2005年からリサイタルシリーズ「le Parfum de Futur」をスタート。vol.1「フランス近現代」(2005)、vol.2「フォルテピアノ」(2005)、vol.3「柴田南雄・武満徹とその周辺」(2006)、vol.4「ピアノ音楽の夜明けとその展開」(2007)、vol.5,6 「In memoriam Olivier Messiaen vol.1,2」(2008/09)、vol.7「今日の音楽~フランスと日本」(2009)、 vol.8「メシアンとその影響」(2010)、vol.9「ピアノの詩人たち~今昔(いまむかし)」(2011)、vol.10,11「一柳慧のピアノ音楽 第一章/第二章」(2011/12)、vol.12「フランス」(2013)、vol.13「ふたつの響き」(2014)を開催し、「現代音楽における若手ピアニストとして最も将来を嘱望される演奏家の一人」(音楽の友2009年12月号)と評され、同誌の「コンサート・ベストテン2006,2009,2010,2011」および「旬の日本人演奏家たち」(2013年5月号)に選出されている。
また、カメラータ・トウキョウより2枚のCDをリリース。いずれも高い評価を受けている。2012年「一柳慧ピアノ作品集」(レコード芸術特選盤、朝日新聞推薦盤、Stereo誌「本誌執筆陣が選んだ2012年のベスト5ディスク」)、2014年「Feance Now」(レコード芸術特選盤、読売新聞特選盤、朝日新聞推薦盤)。
第4回オルレアン20世紀ピアノ国際コンク-ル、第10回大曲新人音楽祭グランプリ等に入賞し、ピアノを小林仁、播本枝未子、故G.ムニエ、A.プラネス、H.カルティエ=ブレッソン、故C.エルフェ、D.コルニール、フォルテピアノをP.コーエン、他の各氏に師事。
日本アルバン・ベルグ協会、日本演奏連盟、日本フィンランド新音楽協会、日仏現代音楽協会会員。全日本ピアノ指導者協会正会員、汐留イタリア街ステーション代表。
演奏活動と同時に、洗足学園音楽大学講師として後進の指導にあたり、各地でコンクールの審査員を務めるほか、レッスンやレクチャーコンサートの通訳や、2009-12年は神奈川芸術文化財団外部評価委員も務めた。
2010年、第28回中島健蔵音楽賞を受賞。秋田市観光クチコミ大使。