泪の上で

主催:
中村研究室修士一年
作成:
ARCHIVE CENTER

8.2 Sat 11:00

  • 『泪橋』交差点角 OKビル
  • 8.2 Sat 11:00 開始
    8.7 Thu 15:00 終了
  • 入場料:¥100
  • Webサイト
  • 東京都台東区清川2-39-5 OKビル3F
Art Exhibition 『泪の上で』
ユゥキユキ 山崎千尋 田中良佑
『泪橋(なみだばし)』とは、かつて江戸時代から明治初期まで存在していた『小塚原刑場』に向い『思川(おもいがわ)』に架かっていた橋である。

死をもって罰せられる罪人と、その家族が、別れを惜しんで流した“泪”がその名の由来であるというだが街の近代化が進む中で、『思川』は埋め立てられ、橋は姿を消した。現在、そこは交通の激しい交差点となり、『泪橋』はその交差点の名前として、ひっそりと遺っている。

『泪橋』は、山谷(さんや)という東京で最大の日雇い労働者の街の真ん中にある。

戦後最もヒットした漫画の一つ『あしたのジョー』の舞台も山谷であり、コーチ丹下段平は『泪橋』を、「人生に破れ生活に疲れ果て、このドヤ街に流れてきた人間たちが、泪で渡る橋」と言い表し、そしてこう続けた。

「この泪橋を逆に渡り明日の栄光を目指そう」

私たちが見つめ直したいのは、栄光という勝利の為に、置き去りにした、その“泪”である。

私たちは泪橋に何度も足を運び、交差点を見下ろすビルの一室を借りることにした。
ビルから眺める交差点に、この展覧会を《想像のー泪橋》として、
“勝利”と“敗者”のあいだに、今一度架けたい。

そして、私たちはその橋の上に立ち、忘れられた“泪”を思い出す旅に出る。
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